ジャガー・ルクルト マスターコレクション、本当に毎日使える複雑時計か?2026年レビュー

2026年、ジャガー・ルクルトは「マスターコレクション」に新作を発表した。
ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン——
どれも高級時計の象徴的な機能だが、果たしてこれらは、
スーツの袖から覗く日常の場面で、本当に違和感なく着けられるのか。
数週間、通勤・会議・週末のカフェまで含めて実際に着用し、
「複雑時計=特別な日にしか使えない」という常識が、今も通用するかどうかを検証した。

マスターコレクション ムーンフェイズは、本当に見やすいのか?

39mmのステンレススティールケースに収められたこのモデルは、
ムーンフェイズ窓が6時位置に配置され、直径約5.5mmの大きな表示となっている。
さらに、青い星空背景に銀色の月面というコントラストが、
暗所でも一目で確認できるほど明瞭だ。

実際の使用では、夜の会食や電気の弱い部屋でも、
「今、満月か?」を瞬時に把握できた。
これは単なる装飾ではなく、実用性を最優先に考えられた設計の賜物だ。

パーペチュアルカレンダーは、本当に手間がかからないのか?

日付・曜日・月・閏年——4つの表示を自動で調整するこの機構は、
2100年までは手動調整不要とされる。
実際に、2月29日の翌日(3月1日)に時計を確認すると、
すべての表示が正確に切り替わっていた。

ただし、注意点もある。
– 日付変更は深夜0時前後に行われるため、その時間帯に操作すると誤動作のリスクあり
– 手動調整は専用ツールが必要(通常は店舗で依頼)

とはいえ、日常的に「調整しなくていい」という安心感は、
他の時計にはない大きな価値だ。

トゥールビヨン搭載モデルは、本当に腕元で動いているのか?

裏蓋はフルスケルトン仕様で、中央のトゥールビヨンキャリッジが360度見える。
実際の着用中、わずかな手首の動きでキャリッジがゆっくりと回転しているのがわかる。
光の当たり方によって、ジュネーブストライプの橋板が輝き、
まるで小さな宇宙が腕元で回っているようだ。

厚さは12.7mmと、他ブランドのトゥールビヨンより控えめ。
スーツの袖口にもすんなり収まり、「高級時計であることを主張せず、しかし確実に伝える」
という、ジャガー・ルクルトらしいバランス感覚が感じ取れた。

結局、どれも毎日使えるのか?

はい。ただし、「使える」という意味が、他の時計とは少し違う。

– ムーンフェイズは、毎日のちょっとした癒しになる
– パーペチュアルカレンダーは、時間の流れを静かに感じさせてくれる
– トゥールビヨンは、技術の美しさを“見る”ことで、日常に彩りを加える

どれも、見た目はクラシックで、中身は現代的。
39mmというサイズは、小ぶりすぎず、大ぶりすぎず、
どんな手首にも自然に馴染む。

そして何より——
「複雑だからといって扱いにくい」という固定観念を、このシリーズは完全に打ち破っている。

編集部まとめ

ジャガー・ルクルトは今回、
「複雑時計は、鑑賞するものではなく、暮らすものである」というメッセージを静かに発信した。
2026年、マスターコレクションは、
– 技術の頂点でありながら
– 日常の一部であり続けている。

それは、単なる時計ではなく、
あなたの日々に、少しだけ深みと静けさを運んでくれる、誠実なパートナーなのだ。